T. この国は小国であると仮定する。
いまこの国のリンゴの需要関数は
D=40−2P (Pは価格、Dは需要量)
供給関数は
S=P (Pは価格、Sは供給量)
であるとする。
(1) 貿易が禁止されているとして、国内均衡でのリンゴの価格、需給量を求めよ。
(2) 貿易が禁止されているときの消費者余剰、生産者余剰、総余剰をそれぞれ求めよ。
(3) 貿易が自由に行われるとする。リンゴの国際価格が10であるとすると、
国内の消費者余剰、生産者余剰、総余剰はそれぞれいくらになるか求めよ。
(4) (3)の設問に沿うと、この国はリンゴの輸出国、輸入国のどちらになると思われるか答えよ。
(5) (3)の設問に沿うと、貿易を禁止することによって生まれる死荷重を求めよ。
[解答]
(1)均衡では D=S なので
40−2P=P
よって P=
40/3 これが均衡価格、
これを需要曲線(または供給曲線)に代入すると
S=D=
40/3 これが均衡需給量である。
(2)需要曲線を変形すると
P=20−(1/2)D
供給曲線を変形すると
P=S
である。これをグラフにあらわすと以下のようになる。
↑この図の水色の面積が消費者余剰、
紫色の面積が生産者余剰になるのでそれぞれ求めると
(消費者余剰)= (40/3)×(20/3)×(1/2)=
400/9
(生産者余剰)= (40/3)×(40/3)×(1/2)=
800/9
さらに
(総余剰)= (400/9)+(800/9)=
400/3 である。
(3)リンゴの国際価格を10だとしてグラフ化すると以下のようになる。
↑この図の水色の面積が国内の消費者余剰、
紫色の面積が国内の生産者余剰になるのでそれぞれ求めると
(消費者余剰)= 20×10×(1/2)=
100
(生産者余剰)= 10×10×(1/2)=
50
さらに
(総余剰)= 100+50=
150 である。
(4) (国内均衡価格)>(国際価格) であるので
この国はリンゴの輸入国になると考えられる。
※具体的に(3)の問題でリンゴは10輸入されることがわかる。
⇒価格10の時、需要20に対し国内では10しか供給されないので、のこり10を輸入する。
(5) 貿易自由時の総余剰は 150
貿易禁止時の総余剰は 400/3 であるので
その差を求めると
150−(400/3) =
50/3
これが貿易禁止による死荷重である。
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