練習問題6−B

     CONTENTS

T. この国は小国であると仮定する。

いまこの国のリンゴの需要関数は

D=40−2P (Pは価格、Dは需要量)

供給関数は

S=P (Pは価格、Sは供給量)

であるとする。

(1) 貿易が禁止されているとして、国内均衡でのリンゴの価格、需給量を求めよ。

(2) 貿易が禁止されているときの消費者余剰、生産者余剰、総余剰をそれぞれ求めよ。

(3) 貿易が自由に行われるとする。リンゴの国際価格が10であるとすると、
国内の消費者余剰、生産者余剰、総余剰はそれぞれいくらになるか求めよ。

(4) (3)の設問に沿うと、この国はリンゴの輸出国、輸入国のどちらになると思われるか答えよ。

(5) (3)の設問に沿うと、貿易を禁止することによって生まれる死荷重を求めよ。


[解答]

(1)均衡では D=S なので

40−2P=P

よって P=40/3 これが均衡価格、

これを需要曲線(または供給曲線)に代入すると

S=D=40/3 これが均衡需給量である。


(2)需要曲線を変形すると

P=20−(1/2)D

供給曲線を変形すると

P=S

である。これをグラフにあらわすと以下のようになる。


↑この図の水色の面積が消費者余剰、

紫色の面積が生産者余剰になるのでそれぞれ求めると

(消費者余剰)= (40/3)×(20/3)×(1/2)= 400/9

(生産者余剰)= (40/3)×(40/3)×(1/2)= 800/9

さらに

(総余剰)= (400/9)+(800/9)= 400/3 である。


(3)リンゴの国際価格を10だとしてグラフ化すると以下のようになる。

↑この図の水色の面積が国内の消費者余剰、

紫色の面積が国内の生産者余剰になるのでそれぞれ求めると

(消費者余剰)= 20×10×(1/2)= 100

(生産者余剰)= 10×10×(1/2)= 50

さらに

(総余剰)= 100+50= 150 である。


(4) (国内均衡価格)>(国際価格) であるので

この国はリンゴの輸入国になると考えられる

※具体的に(3)の問題でリンゴは10輸入されることがわかる。

⇒価格10の時、需要20に対し国内では10しか供給されないので、のこり10を輸入する。


(5) 貿易自由時の総余剰は 150

貿易禁止時の総余剰は 400/3 であるので

その差を求めると

150−(400/3) = 50/3

これが貿易禁止による死荷重である。



CONTENTS

inserted by FC2 system