練習問題5−F

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T. 市場が何らかの要因で撹乱され、価格が均衡価格からはずれたとする。

このとき

「需要が供給を上回っていれば、価格が上昇する」
「需要が供給を下回っていれば、価格が下落する」

という調整の仕方を『ワルラスの調整過程』という。

この調整によりいずれ均衡に落ち着くのであれば

その均衡は安定であるという。

次の図のA,Bがそれぞれ安定かどうか答えよ。




[解答]

A点は安定であり、B点は不安定である。

A点やB点から少し価格が上下どちらかにずれたとして、

その後ワルラス調整でもとに戻るかどうかを確かめればよい。



ワルラスの調整をすると、A点から少し外れてももとのA点に戻るが、

B点から少しでも外れるともうB点には戻らないことがわかる。



U. ワルラスの調整過程において、均衡が安定になる条件は

(1/供給曲線の傾き) > (1/需要曲線の傾き)

であるという。

このことを簡単に導け。


[解答例]

超過需要は D(P)−S(P) と表現でき、

これをPについて微分すると

(dD/dP)−(dS/dP) となる。

もしこれが負であれば、超過需要がPの上昇によって徐々に0に近づいてゆくことになる、

つまり均衡は安定であるということである。

(dD/dP)−(dS/dP)<0

⇒ (dS/dP)>(dD/dP)

⇒ [1/(dP/dS)]>[1/(dP/dD)]

⇒ (1/供給曲線の傾き)>(1/需要曲線の傾き)

これがワルラスの調整過程により均衡が安定となる条件といえる。



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