補論5. グラフの縮尺

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今までグラフをいろいろ書いてきましたが、

縦軸にとる単位と横軸にとる単位は

縦軸=「価格」 横軸=「需要・供給」

というものが多かったですね。

あまり意識せずに見てきたものです。

しかし、グラフの傾きというものを考えるとき、

縦軸の単位と横軸の単位をしっかり把握しておかないと

いろんなことを見誤ってしまいがちです。

たとえば、

図 補5−1


↑この図と

図 補5−2


↑この図を比べてみましょう。

5−1のほうは 縦軸=(円) 横軸=(個)

5−2のほうは 縦軸=(百円) 縦軸=(十個)

になっています。

だから、単純にこの二つの図を重ね合わせてその交点を

均衡点にすることはできません
。(単位が違うから)

均衡を調べるときは、

縦軸と横軸の縮尺をきっちり調整してからでないといけない

ということを覚えておきましょう。

あともう一つ、

図 補5−3


↑これと

図 補5−4


↑これを比べてみましょう。

一見 5−3 のほうが傾きが急に見えますが、

この二つはただ単に縦軸の単位を (円)→(万円)

に変えただけで、同じ需要曲線です。

縮尺を変えるだけで

曲線の傾き(とか弾力性)とかが緩やかに見えたり急に見えたりするので注意しましょう。

今までの講義内で「弾力性が(相対的に)〜〜」

と『相対的に』とつけたのは、

「縮尺が同じの時に、二つを比べて」という条件であって

「常にどんなタイプの曲線と比べても」という意味ではないことをあらわすためです。


とりあえず、グラフを書くときや線の傾きを見るときは

縦軸と横軸の縮尺のとりかたに気をつけてください。


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