第三十三回 現在消費か未来消費かB

     CONTENTS

はい、今回は前回の続きです♪

まずは簡単におさらい!!!´▽`

[3つの仮定]

@期間は「働いている期間」「引退後」しかないとする。(ニ期間モデル)

A働いている期間に得られる収入は合計1億円とする。

B同じ期間に使うお金が増えるほど限界効用は逓減するとする。

↑この3つの仮定から導ける図として

図32−1


↑この予算制約線

図32−2


↑こんな感じの無差別曲線がある事が前回わかりましたね。^ー^


ではこの条件から今どれくらい使って老後どれだけ使えばいいか?」ということを考えてみましょう。

ま、簡単ですね、無差別曲線の図と予算制約線の図を重ねると

図33−1


はい、こんな感じになりました♪^ー^

1億円の予算から、現在と将来にどれくらい振り分けるかは無数にありますが、

一番効用を高くするのは、無差別曲線と予算制約線が接する

現在5000万将来5000万使う という組み合わせであることがわかりますね♪^▽^

※方眼紙を買ってきて正確に、完璧、寸分の誤差も無く図を書けばそうなることがわかりますし、
(このHPではやってませんが)ラグランジュ乗数法という数学的方法でも解けます。



さて、今度は仮定を少しだけ変えてみましょう。

@期間は「働いている期間」「引退後」しかないとする。(ニ期間モデル)

A働いている期間に得られる収入は合計1億円とする。

↑この二つは一緒で、

Bこの人は、引退後の消費にまったく効用を感じない

↑このようにしてみましょうかね。^ー^

少しまとめると

現在 0万円使えば効用が0得られる、
1000万円使えば効用が10得られる、
2000万円 ⇒ 効用が19得られる、
3000万 ⇒ 効用27
4000万 ⇒ 効用34
5000万 ⇒ 効用40
6000万 ⇒ 効用45
7000万 ⇒ 効用49
8000万 ⇒ 効用52
9000万 ⇒ 効用54
1億 ⇒ 効用 55

将来にいくら使おうとも効用は0

↑こういう感じになるとする、ということです。^▽^

予算は1億円なので予算制約線は今までと変わらなさそうですが、

効用の感じ方が変わるので無差別曲線は変化しそうですね。^_^:

図33−2


はい、こんな感じになります♪

現在消費が1000万なら、将来消費がたとえ1兆円だったとしても総効用は10、

現在消費が5000万なら、将来消費がたとえ100兆円でも総効用は40、

現在消費が1億なら、将来消費がたとえ9999兆円でも総効用は55、

というような「現在の消費だけが幸せだ」という極端な場合の無差別曲線です。^_^:

こういう場合の最適な消費は

図33−3


↑この図の中の最適消費点のように

現在消費に予算を全てつぎ込むのが最適となることがわかりますね。^_^:
(現在1億、将来0円消費)



はい、ここまで前々回、前回、今回と連続でしてきたお話は

マクロ経済学「ライフサイクル仮説」というものの本質だけを抜き取ったモデルです。

実はミクロ経済学の分野ではなかったのですよ。^○^:

でも!実際はマクロの分野といいながら、完全に「ミクロ経済学の手法」で考えていますよね?

マクロ経済学が出来始めたころは、まだまだ

『ミクロとマクロはまったくの別物だから、お互いに融合できない』

というような風潮があったようですが、もはや時代は変わってきています。^_^:

このライフサイクル仮説というものも

「人間は収入のうち○○%を消費にまわすものだ」という伝統的なマクロ経済学の考え方にたいして

『果たして人間は幸せ(効用)を最大にするために、そんな単純な方法で消費を決めるのか?

という疑問
から生まれてきたものです。(ミクロ経済学の反逆、とでも言いましょうかね。^〜^:)

で、現在の主流な考え方は

『マクロ経済学にはミクロ経済学的な基礎があるべきだ』

というものです。

伝統的な考え方

ミクロ経済学    マクロ経済学
↓         ↓
↓         ↓
→  応用  ←

というように、「ミクロとマクロそれぞれ学んだあとに応用に進むべき」というものであるとすれば、

現在の主流

ミクロ経済学

マクロ経済学

応用

というように、

まずミクロ経済学を学び、それを基礎にしてマクロを学んで、その後応用

というものになっています♪^ー^

私がミクロ経済学を最重要視するのも↑このような考え方に基づくからなのですよ☆^○^


CONTENTS

inserted by FC2 system