第二十九回 なつかしの地域振興券

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ちょっと昔(1999年度)に

「地域振興券」なるものが高齢者と15歳以下のこどもに配られた

というのは覚えていらっしゃいますでしょうか?^〜^:

今回は理論性を追及せずにお話してみようと思います。


景気というのは根本的には消費が増えることで活性化します。

例えば、

いくら企業が「この製品はよいですよ〜」

「どんどん買ってくださいな〜」

といっても、結局売れなければ企業は倒産しますし、

世の中の大半の人は「企業に雇われて給料をもらう労働者」なので

その世の中の大多数をしめる労働者が何かにお金を使わないと

いくら企業が頑張っても経済は活性化しないでしょう。^_^:

もっと簡単に言うと

AさんがBさんから10万円のものを買って、

BさんがCさんからその10万円で何かを買って、

CさんがDさんから―――

というように、キレイにお金が循環していれば、とりあえず経済が停滞することはありませんね。

お金の流れがあるうちは生産も消費も行われていて

企業もそれなりに潤い、労働者も給料を得られるということだと思ってください。^▽^


しかし、人間というのは給料を全て消費に使うことはめったにありません!

普通はもらったうちいくらかを消費に使い 残りを貯蓄しますよね。^ー^

となると、さっきのたとえでも

AさんがBさんから10万円のものを買って、

BさんがCさんから8万円のものを買って2万円は貯蓄して、

CさんがDさんから6万円のものを買って2万円は貯蓄して―――

というように、最終的にはどこかで

「もらったお金を全額貯蓄してしまう」ような地点ができそうです。^〜^:

つまりお金の循環がストップするということですね。T_T


で、世の中が不景気な時の典型的な特徴

人々がもらった給料のうち消費に回す割合が少なくなる

ということです。。。T_T

例えば、いままでなら10万円もらったら、そのうち8割は使っていたのに、

今は不景気でこのさきどうなるかわからないから5割くらいにおさえとこう、、、


というような心理になると思ってください。^_^:

さっきの議論でわかったように、人が消費に回すお金を減らすと

お金の循環がストップするのが早くなるので、不景気がさらに深化していくことになります。。。


で、政府としては何とか消費を増やして景気を回復させたいと思ったんでしょうね。

昔は公共投資(道路を作ったりダムを作ったり・・・)をすれば、

その工事に関連する産業に関わる人の給料が増えて、

結果的に消費が増えて景気が回復、なんてこともできたのでしょうが、

1999年度といえば「公共投資=無駄遣いの宝庫」というイメージが定着しだした頃なので

とてもとても公共投資なんてできなかったわけです。^_^:

で、それなら減税をして、労働者の手取り給料を増やせば

消費が増えるんじゃねーか?と思って減税してみたものの、

結果は「減税分だけその穴埋めに将来増税するだろうから、減税分は貯蓄しとこう」

という心理になったのか、減税の効果はイマイチ。^〜^:


で、最終的にやってみたのが例の

地域振興券配布

です。^▽^:

地域振興券は一応『消費(何かを買う)』ことにしか使えないから、

減税の時みたいに貯蓄に回されることもないだろう、と安易に考えたのでしょうね。

しかし、もらったほうもバカではなかった!`皿´

消費者のほうも地域振興券を使って、今まで日常的に消費していたものを消費して、

その浮いた分のお金を貯蓄する
、という行動をしたわけです。

減税の時とあまり変わっていませんね。

これでは消費の絶対量は全く増えませんよね。。。T_T


で、実際問題として「地域振興券を配布したことで消費に回った部分」というのは

32.6%ほどだったそうですね。^_^:

だから、例えば2000億円分の地域振興券を配って消費を2000億円分増やすぜぃ♪

と思っていたのに、結果は650億円分ほどしか増えなかった、ということですねぇ。。。

配布する費用とかも含めると、期待した効果からは程遠かったんでしょうなぁ。。。T_T


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