第二十七回 給料を人質にする

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はい、今回は

ひと昔前まで日本の雇用体型の主流だった

終身雇用の構造を見ていきましょう♪^ー^

終身雇用というのは、

「定年まで一つの会社で働く」という感じだと思ってください。^▽^:

その前に『終身雇用』というのは、文字だけの意味でみると

「死ぬまで一つの会社に雇われる」

という意味になります。

だから、世間で一般的に使われている終身雇用という言葉よりも

長期雇用といったほうが妥当なのでしょうが、とりあえず今回の講義では

とりあえず終身雇用と呼ぶことにしましょう。^〜^


で、この終身雇用、何が労働者や企業にとってメリットになるのでしょうか???

まず労働者のメリットから!

労働者にとっては、いったん雇われてしまえば

その後の収入が確保される
という安全性のメリットがあります。

でも、これは企業にとってはデメリットになる可能性があります。

というのは、普通の人間は「雇用に対する安心感」を得てしまうと

逆に気がだれるからです。^_^:

まあ、人間そんなもんですよ、

雇用が確保されてるなら、解雇の恐怖におびえなくていいので、

それなりに「頑張っているフリ」でもしておけばいいんですよ。^_^:

企業は利潤を大きくすることが目的ですから

雇った人にはきちんと頑張って業績を伸ばしてもらわないと困ります。^_^:

となると、本来企業の側から考えれば「終身雇用」を約束することは

かなりデメリットが大きいこと
になりますね。^〜^


でも、実際問題この終身雇用という方式は

戦後日本の主流な形式になっていたわけですから、

企業の側もそれなりにメリットがあるようになる構造や制度があったはずです。

その企業の側がメリットを感じるような制度が年功序列賃金 です。^▽^

年功序列賃金というのは、

勤続年数が上がるほど給料が上がるよ〜♪

という夢のような制度です♪^▽^

な〜んて大間違い!`△´

正確に言うと

中年になるまでは働いた分以下の給料しかもらえず、

それ以降は働いた分以上の給料をもらえる制度

と考えたほうがいいでしょうね。^_^:

図にすると簡単なので見てみましょう。

図27−1
mikurode27-1.jpg

まあこんな感じでしょうね。^_^

働く力というのは30歳くらいがピークで徐々に下がると思われます。

にもかかわらず、給料は55歳くらいでピークになります。^_^:

ここで20歳〜40歳の間を見てください。明らかに

働く力よりも賃金のほうが低いですね。T_T

普通に考えると、働いた分に見合った給料がもらえないなら

その人はそんな会社にいつまでも勤めるとは思えません。

しかし、よくみると40歳以降は働く力よりも賃金のほうが高くなっています

ということは

40歳までは給料を人質として取られている

といっても良さそうですね。

・・・ニュアンスがわかりますかね?^〜^:

つまり、企業が20〜40歳の時の働き分を40歳以降に組み入れて、

給料を人質にして働かせているわけです。

こうすれば、60歳くらいまで働かないと、それまでムダに安い給料で働かされたことになりますから

当然労働者は同じ企業に長くとどまろうとしますね。

「60歳までは文句を言わずきっちり働け、

そうすれば40歳以前の損は40歳以降の給料で相殺してやろう。

辞めたいなら勝手に辞めろ、

そのかわり人質分の給料は払わんがな、ふぉっふぉっふぉ♪」

といったところですね。^_^:


いや、この制度が悪いとは思いませんよ、私は。

というのは、別に政府や法で強制されてできた制度ではなく

自然発生してできた制度ですから。

それなりに労働者も企業も自主的にこれを受け入れてきていた、

ということですね。^_^

実際損をした人は少ないと思います、多くの人がちょっとずつ得をするような構造ですし。

しかし、一部の超優秀な人には到底受け入れられないだろうし、

高齢者が溢れかえっている社会の中で維持できるものではないですね。^_^:


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