第十三回 豊作貧乏

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はい、今回は豊作貧乏 という言葉をお勉強しましょう♪^ー^

豊作貧乏というのは

『農作物が豊作の年は

その作物が大変おいしいのにも関わらず

その作物の値段が安くなって

農家の収入が減ってしまうこと』
です。


ふむふむ、ちょっと不思議な話ですね。^_^:

普通に考えると「おいしい」=「高く売れる」というのが我々の感覚です。

例えば、ワインを考えてみると、

おいしいワインほど高く売れる、というのは当たっていそうですね。^〜^


さて、とりあえずミカンで考えてみましょう。

ミカンなどの農作物というのは「豊作」=「おいしい」 というのが常識です。^▽^

ここで「豊作」というのは「例年よりたくさんできる」 ということだとします。

これを踏まえて、まず普通の年の需要曲線と供給曲線を下図のようにしておきます。

図13−1
mikurode13-1.jpg

はい、この図の供給曲線は真っ直ぐ上に伸びています

これは、ミカンの供給が価格によって自由に調整できるものではない

ことをあらわしています。^_^

そりゃそうですよね、ミカンの種をまくときに

「ミカンの実がなる頃に値段がどれくらいだったらミカンを○○作ろう♪」

なんて神業なこと出来ませんからね。^_^:

つまり、「作ったものを全て売ろうとする」という仮定で話を進めていこうということです。


さて、普通の年は「需要曲線と供給曲線が交わる点」で価格が決まるので

ミカンの値段で落ち着きます♪^ー^

で、問題は次に豊作になるとどうなるか?を考えてみましょう。

豊作になる=ミカンがたくさん採れる=ミカンの供給が増える

ということですから、さっきの図が下図のように変化しますね。^_^

図13−2
mikurode13-2.jpg

はい、供給曲線が右にシフトして、

値段がまで下がりました。

これで「豊作」=「値段が下がる」という関係がわかりましたね♪

一応値段が下がったことで、需要する側も今までよりも多く買うかもしれませんが、

図から見て値段の変化に比べて、需要(買う量)が増えるのは少ない ですね。^_^

ミカンなどの農作物って、値段が安くなったから一気に買う量を増やすものでもないですしね。。。


さて、最後にもう一つ、

ミカンが「おいしく」なったことで需要曲線が右にシフトするのではないか?

ということも考えられそうですが、実際問題として

ミカンとか農作物って、美味しくなったからといって買う意欲がそこまで

増えるものでしょうかね???^_^:

一般的には、よほどミカン好きでもなければ

美味しくなったからといってもそれほど需要量が変えないでしょう。^▽^:


さてさて、ここまでのお話をまとめてみましょう!

@「豊作」→「値段が下がる」

A「豊作」→「値段が下がってもそれほど需要量が増えるわけでもない」

B「豊作」→「おいしい」→「おいしいからといって需要はそれほど増えない」

この3つを組み合わせて考えると

『豊作だと、値段は大きく下がるけど、それに比べて

需要量はそれほど伸びない』


というのがわかりますね。。。T_T

収入というのは

(売れた数)×(一個の値段)  ですから

売れた数がそれほど増えずに、 それに比べて値段が大きく下がるということは

収入は普通の年より減る ということになります。^_^:


はい、これが豊作貧乏というものをミクロ経済学的に説明 する場合の方法です♪^▽^

こう考えると、豊作で出来た農産物を

わざと潰す農家がいるのもなぜだかわかりますね。^_^

この豊作貧乏というのは

農業で生活していくこと(もしくは利潤を多く得ること)の難しさ

をあらわしているのかもしれませんね。^▽^:


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