講義87. 比較優位

     
     CONTENTS

はい、今回から〜国際貿易の基礎〜ということで、

今までの知識を使って貿易によるメリットとデメリットを見ていきます♪^▽^

とりあえず今回は、今後の話には直接関係無いのですが

一応貿易と関係あるお話なので

有名な経済学者であるリカード(Ricardo,David 1772−1823)

の考えた理論をほんの少しだけ見ていきます。^〜^


まあ、簡単にいうと

「相手国より機会費用が少ない(比較優位な)モノを作って輸出しなさい」

という理論です。(言葉にするとたった一行♪^▽^)

とりあえず、アメリカ日本の例で考えてみます。

で、さらに世の中は「自動車」「小麦」だけで生活でき、

それらを作るには労働者だけいればいいことにしましょう。

しかも、モノを作るときに必要な労働者数は国ごとに違うことにしますね。
(かなり簡略化)



ポイントは、「モノを作るときに必要な労働者の数が違う」ということです。

とりあえず次の表みたいな感じにしましょうか。^_^

労働者がどれだけ必要か?(絶対費用)
国\作るもの
自動車一台
小麦1トン
日本
労働者16人
労働者24人
アメリカ
労働者12人
労働者6人

はい、上の表は

日本だと
自動車を一台作る場合、労働者が16人必要で、
小麦を1トン作るのに労働者が24人必要

アメリカだと
自動車を一台作る場合、労働者が12人必要で、
小麦を1トン作るのに労働者が6人必要

という意味です。

ふむ〜、日本とアメリカを比べると、

明らかに自動車も小麦もアメリカのほうが生産効率がよさそうですね。^〜^:

だって、

自動車⇒ 日本だと16人、アメリカだと12人でOK♪
小麦⇒ 日本だと24人、アメリカだと6人でOK♪

ここで、あまり深く考えない人なら

「ああ、じゃあアメリカは他の国から何か買わなくても

自国で自動車も小麦も作ればいい
じゃん♪」

と言うのでしょうが、リカードみたいに頭の良い人はそうではないことに気づくのです。^_^


あまり長くやるわけにもいかないので、

根本的なことを書いた下の表を見てください。

どれくらい諦めないといけないか?(機会費用)
国\作るもの
自動車1台
小麦1トン
日本
小麦2/3トン諦める
自動車3/2台諦める
アメリカ
小麦2トン諦める
自動車1/2台諦める

はい、今度は『どれだけ労働者が必要か?』という絶対費用ではなく

『どれだけ他のものを諦めないといけないか?』という機会費用の表です。

これを見ればわかるのですが、

自動車を1台作るとき、

アメリカだと小麦2トンを諦めるのに、日本だと2/3トンでOK

というように、

自動車を作るとき絶対費用で比べると不利だった日本が、

機会費用で比べると有利になっていますね。^_^(不思議)


このように、機会費用で比べたとき有利になっている場合

日本は自動車に比較優位を持つ

といいます♪^▽^
(ちなみにアメリカは小麦に比較優位)


で、これ以上詳しくはやりませんが、

この比較優位を持つ財にお互いの国が特化して、

相手国と(適切な交換比率で)交換すると、

両国とも自給自足では絶対に手に入らない量の財を得られる、ということがわかります♪
(両国とも、というところがポイントですね)

まあ、ようは自由貿易が良い、ということですね。^_^


リカードの生きた時代はまだ「ミクロ経済学」という分野も無く

経済学も今ほどは発達してなかったのですが、

この『自由貿易は国を豊かにする』という発想は

ミクロ経済学でも生きています。(根拠は違いますが)

次回からはミクロ経済学に基づく分析を進めていきましょう♪^▽^


CONTENTS  NEXT


inserted by FC2 system