講義123. 限界理論

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はい、今回は限界理論というものをお勉強していきましょう♪^▽^

今までの講義で何度も何度も言っていることなので

もう聞き飽きた方も多いと思いますが、まあ復習のつもりで。。。^_^:


まず『限界』の意味を確認!

日常生活の中での限界という言葉は

「もうこれが限界だ〜!」という『これ以上ない状態』

のことをあらわしていますが、

一方経済学での限界という言葉

『ちょっとの変化』のことをあらわしています。

英語にするとわかりやすいと思います。

英語に訳すときは

日常生活の中での『限界』Limit(リミット)

経済学でいう『限界』Marginal(マージナル)

という風に違う単語になるんですね。^_^:

リミットというのは『制限』という意味で使われるときもあるように、

そこが最高条件(とか最低条件)という意味で使われますね。(例:タイムリミット

一方、マージナル(Marginal)というのは

『縁(ふち)』とか『ぎりぎりのところ』という意味です。

あまり日本語にはなじまない言葉かもしれませんね。^_^:

まあ、今思えば日本に経済学が入ってきたときに

「MARGINAL」を限界と訳してしまったことが問題なのですがね。^〜^:


さて、経済学では『限界』という言葉を「ちょっとの変化」という意味で使うといいました。

使い方としては、例えば

限界収入・・・生産物をあと一単位余計に作ったときに得られる収入

限界費用・・・生産物をあと一単位余計に作ったときにかかる機会費用

限界利潤・・・生産物をあと一単位余計に作ったときに得られる利潤

限界効用・・・財・サービスをあと一単位余計に得たときに得られる効用

などなど、いろんなところで限界という言葉は使われています♪^▽^

もう少しだけ詳しく見てみると

限界収入というのは

限界に生産物を増やした時に得られる収入の増分

のことです。(辞書的な表現)

噛み砕いて言うと

ほんのちょっと(例えば一つとか)生産物を作ったときにいままでより増えるお金の分

と言い直せそうですね。^〜^

具体的な例を出すと、

趣味でガムを月に100個作っている人がいて、

今月は101個つくろう!1個だけガムの生産を増やした(限界的に増やした)時に

先月は総収入が1000円だったのが、今月は1010円になったとすると

限界収入は 1010−1000=10円 です。


で、なぜ今回この『限界理論』を講義に取り上げたかというと、

この理論が人間の幸せ度を最大に高めるのに一番役に立ちそうな考え方だからです。

例えば、次のようなシチュエーションを考えてみてください。

「普段一個300円のケーキを3000円で食べ放題」という店に入って、

いざケーキを食べてみたものの、そのケーキがものすごく不味かったとしましょう。

『食べるほど胸焼けが酷くなる』くらい不味いとします。(激マズ)

そのときあなたは「そのケーキを食べ続けるべきか」「もう食べないか」

のどちらを選ぶかです。

あまり限界理論を良くわかってない人や、俗っぽい考え方の人なら

「せっかく3000円も払ったんだから、せめて10個は食べて元をとろう」

などと考えるのでしょうね。^_^:

ただ、この考え方は根本的に誤りだと感じないでしょうか???^▽^:

というのは

いったんお金(3000円)を払ってしまえば、

そのお金はどうあがいても取り返せないわけですよね?


だから、わざわざこれ以上不味いケーキを食べようが食べまいが、

そこから支出は増えない
わけです。

で、ものすごい不味いケーキは食べれば食べるほど

どんどん不幸せになっていく
と考えられます。(胸焼けするほど不味いし)

限界的に食べるほど不幸せが増える状況なのですから、

これ以上食べないほうがホントは一番幸せ度が多い(不幸せ度が少ない)のですね。^_^:


今回の例のように、一度払ってしまえばもう取り返せない費用

サンクコスト(埋没費用)といいます。

ちょっと考えてみればわかることですが、合理的な人ならば

サンクコストはこれからの行動に何の影響も与えない
ことがわかりますね。^_^

もう取り戻せないものを考えて行動しても、所詮体力と労力と時間の無駄ですからね。

むしろ、『今から限界的に幸せ度が増えるか減るか?』という考えで行動したほうが

当然幸せ度は増えていくわけですからね。^_^:


とりあえず今回はここまでにして、

次回はインセンティブというものを見ていきます☆^○^


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