講義116. 囚人のジレンマB

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はい、今回は前回の続きで、

囚人のジレンマ型のゲームの結果がどうなるか、ということを見ていきます。^_^

今回は短いのでささっと読んでしまいましょう♪^○^


最初に少しだけ復習しておきましょうか。

図114−1


↑囚人のジレンマの利得行列はこんな感じで、

Aの立場で考えると、

Bが自白しようと黙秘しようと、それにかかわらず

Aとしては『自白』していれば得
ということがわかりましたね。


さて、ではBの立場ではどうでしょうか?

Bにとって一緒ですね、


仮にAが黙秘するならば、

Bも黙秘すると、Bの懲役は2年
Bが自白すると、Bの懲役は1年ですので

当然BはAが黙秘するなら自分は自白するでしょうし、


仮にAが自白するならば、

Bが黙秘すると、Bの懲役は15年
Bも自白すると、Bの懲役は10年ですので、

当然BはAが自白するなら自分も自白するでしょう。


つまり、Bの支配戦略は、Aと同じく「自白」ということになりますね☆^_^

※「支配」の意味がわからない人は前回の講義を復習!


さて、AもBも

「相手がどちらの戦略を選ぼうと、自白を選んだほうが得」

と思っているようですが、実際にそうすると

ゲームの結果はどうなるでしょうか?

図116−1


はい、お互いが利己的に動いた結果

A=自白 B=自白 という戦略の組み合わせから得られる利得である

(10,10)

つまり、AもBも懲役10年、というのがゲームの結果(利得)になりますね♪^−^


しかし!図をよく見てみると、

A=黙秘 B=黙秘 という戦略を選んでいれば

お互い懲役が2年ずつで済んでたはずですよね?

にもかかわらず、

お互いが利己的に動いた結果、

なぜかそれより悪い状況(お互い懲役10年)になってしまいました。。。T_T

これはミクロ経済学を学ぶ上でちょっと驚きなのですよ。^_^:

※ここから少し難しい話になりますので、嫌な人は今回はここで終わってくださいな☆




本来、お互いが利己的に行動していれば、ミクロ経済学的には

パレート最適(=誰かの状況を悪くしないと、自分の状況が良くならない状態)

になるはずです。

※私のHPでは「純粋交換経済」という分野をやってないので、ちゃんと説明してませんが、
とりあえずそのように習うものだと思ってください。^_^:
(その分野をやりだすと、あと講義を15回ほど追加しないといけないので・・・。)


しかし今回の話では、お互いが利己的に行動したにもかかわらず

相手の状況を悪くすることなしに、自分の状況を改善できる状態
※(お互い懲役10年 ⇒ お互い懲役2年) ←相手を悪くせず自分が良い状態になりますね

になってしまいました。T_T

ま、そうなったには理由があるのですが、とりあえず今回は

「みんなが利己的な行動をとると、かえって悪い状態になることもたまにはある」

ということを覚えておいてくださいな。^_^


次回は囚人のジレンマ型のゲームを

他のストーリーで考えてみましょう♪^○^


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