講義106. 税と弾力性B

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はい、今回は前回の続きで

税金がかかるといったい誰がどのくらい損をするか?

を見ていきましょう♪^ー^


とりあえず、税金を買い手にかけようが売り手にかけようが、

その効果は同じ
だということはすでにわかりました。

今度は買い手と売り手、どちらがどのくらい負担するか?

ということを見ていこうと思います♪^ー^

たとえば、次の図を見てください。

図106−1


(相対的に)弾力性の高い需要曲線

(相対的に)弾力性の低い供給曲線

を描いてみました。^〜^

で、その均衡点がE均衡価格がP均衡取引量がQ

というのも図からわかりますね。

弾力性が高い需要曲線というのは、

「値段が上がったらそれを買うのをやめよう」

という傾向が強い
、と言い換えても良いですし

弾力性が低い供給曲線というのは、

「値段が上がっても供給量をあまり変えられないなぁ」

という傾向が強い
、と言い換えても良いですね。^_^

さて、たとえばここに

『売り手は一個の取引につきt円の税がかかる』

としたらどうなるでしょうか?

図106−2


はい、どうでしょうか?

まず、取引量は Q→Q’ と減少していますね。T_T

で、買い手の(一個あたりの)支払い金額

供給曲線が上にシフトしたことで P→P’ に上昇しています。T_T

で、売り手の(一個あたりの実質)受取り金額は、

(買い手が払う金額から税金分を引いたものなので) P→P” に減少しています。T_T

ま、ここまでは今までもやってきた議論ですね。^_^:

今回はここにもう一つ

「税の帰着」

というものも見ていきます。

税の帰着というのは

税金がかかる前に比べて、

買い手と売り手がそれぞれどのくらい税を負担するか?

ということを見たもので、

数式のように書くとすると

買い手への税の帰着(課税後の実質支払い金額)−(課税前の価格)

売り手への税の帰着(課税前の価格)−(課税後の実質受取り金額)

となります。

うむ〜、図で見たほうが早いと思うので、次の図で見てみましょう。

図106−3


はい、買い手への税の帰着は P’−P なので

図の黄緑色の長さになり、

売り手への税の帰着は P−P” なので

図の水色の長さになります。

さて、その二つの長さを比べるとわかるのですが、

明らかに水色の長さ(つまり売り手への税の帰着)のほうが大きいですね。^〜^

ということは、

弾力性の高い需要曲線弾力性の低い供給曲線

をもつような財市場に税金をかける

税の負担は売り手のほうに重く割り振られる、ということです。(重要)

※もっと一般的に言うと
弾力性が低いほうに税は重く帰着する、といえるのですが、
一気に証明する必要もないので、それはまた機会があるときに見ましょう。



さて、次回は

弾力性の低い需要曲線と弾力性の高い供給曲線

というように、今回と逆にしてみてみましょう♪^▽^


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