講義49. 官僚制A

     BACK
     CONTENTS

はい、今回は前回の続きで

原理的には効率的になるはず官僚制

実際には非効率のもとになっているという原因を考えてみましょう♪^ー^

前回の話をちゃんと覚えておかないとわからないと思うので

復習はしっかりとしておいてくださいな〜。


まず、官僚制の特徴である

「@起こりうることを全て予想しておき、その時どうするかも全て規則に網羅しておき、
なおかつ構成員がそれに反したときの罰則も網羅する。」

というところから起こる問題として、集団の構成員が

「集団の目的」ではなく『規則を守ることそのもの

目的意識を感じるようになってしまうことがあります。^_^:

で、さらに規則というのはコロコロ変わるものでもないので

規則が想定してないような新しい状況が生まれたとたんに

対応できずパニックになりやすいです。^_^:

さらにさらに

「Aヒエラルキー(意思決定や権限の上下関係のピラミッド)を明確にしておく。」

という特徴も一緒になると、

規則に載っていない新しい状況になる ⇒ 上司の判断を仰ぐ 

⇒さらにその上司の判断を仰ぐ ⇒さらにさらにその上司の――

というように、いつまでたってもその状況の解決にはならないかもしれませんね。^_^:

上司だから解決能力が高いとは限りませんし、

官僚制に慣れている人間がそんな簡単に自ら解決法を見出そうとは思わないでしょうし。。。

権力ピラミッドというのは

客や訪問者に対応する人間が下のほう(平社員・窓口)に、

そういう人達とは普段対面しないような人間が上のほう(課長・部長など)になります。

本来であれば下のほうの窓口・平社員が自分の判断で

臨機応変にその状況に対応出来れば良い
のですが、

そうすると対応する構成員によって対応の質が変わったり、というように

それはそれで不平等になったりかえって混乱したりします。


「D曖昧な口でのコミュニケーションではなく、
文章でのコミュニケーションを重視・徹底する。」

↑この特徴から出てくる問題として

わざわざこんなものまで文章化して伝えないといけないのか?というようなことまで

文章化するために、時間や労力の無駄になったり、

文章を厳密化・専門家しようとするあまりに

集団内では通じるけど、集団外の人間にとってはさっぱりわからないような文章

なんかも出てくるかもしれません。(役所言葉)


今度はちょっと『個人』に関する問題を見てみましょうか。

「B業務を細分化し高度に分業することで、全体として最高のパフォーマンスを引き出す。」

↑この特徴から出てくる問題として、

特に権力ピラミッドの下のほうの人間に多くなるのですが、

下位の人間というのは役割も責任も権限も小さく設定されるものです。

上位の人間は組織全体の調整であったり、グループ同士の調整であったり、

なにかしら『比較的広い視野を持って行動』する役割・責任・権限があるものですが、

下位の人間にはそれがないがために

「ホントに狭〜〜い能力」と「愛想の悪さ」しか身についていかない可能性があります。

さらにその下位の人間というのは役割・権限のつごうで

上位の者から○○しなさいと命令されるから、規則に載っているから、というように

非常に受動的な行動パターンしかできません

きつい言い方をすれば、それは「組織の奴隷」とか「従順なロボット」と同じです。


で、次が一番大きな問題になるのですが、

官僚制というメカニズムに組み込まれた人間

『責任感』を失いやすいようなのです。^〜^:

官僚制の場合、

まず規則があり ⇒ それにのっとって行動する

という順番になります。

ここが怖いところなのですが、

「まず規則がある」ということから

あたかも自分の行為は『規則の責任』であるように錯覚してしまいます。

本当は行動した・行動しているのは自分です。

にも関わらず!

その責任はあたかも『規則や組織』にあると勘違いするんです、

官僚制に慣れきってしまった人間は。^_^:

本当は▽▽という手順だけで十分なのに

規則に「○○⇒××⇒▽▽」という手順で訪問者に対応するように書いてある、

だからいくら住民がそれを不快に思って文句をいっても

『規則でそうなっていますから』で済まそうとする、

この「住民を不快にさせた責任」は誰にあるのでしょうか?

ここで官僚制に慣れきった人間は『規則の責任』とか『組織の責任』と言い張るんです。

いいですか、これは勘違いですからね。^_^:

よく考えてみると、そもそも

「こんなくだらない規則がある集団に所属するかどうか」その人個人の責任です。

さらに、組織・規則うんぬんの前に

『相手を不快にさせないよう努力する』というのは常識的な個人としての責任
です。

もし、この2つの責任を放棄して

『規則や組織の責任』と言い張る
なら、その人はもう

自立した一人前の人間とはいえません。

まさに組織の奴隷・飼い犬であることを(自覚は無いでしょうが)自分で認めています

気をつけてくださいね、

これは慣れてくると本当に自分では気付かなくなります


とはいえ、官僚制を全面的に廃止すれば

全く問題がなくなるのか、というとそういうわけではありません。

前回も言ったように、「統率・管理・組織化出来てない組織」はまったくダメ

ですから。。。

なかなか難しい問題ですが、

やはりこれは「集団に属しながらも個人としての意識を失わない人間」というような

ホントに理想的な人間が世の中に増えることしか解決法が無いのかもしれませんね。^_^


さて、次回は「超初心者向け経済学の間」の最後の講義です。

今までのまとめをして締めくくるとしましょうかね☆^▽^


BACK  CONTENTS  NEXT


inserted by FC2 system