講義38. セーフティネット

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はい、今回はセーフティネットという経済学専門用語をお勉強です♪^ー^


セーフティネット(Safety Net)、元は英語ですが

日本語訳すると「安全網」と、ちょっと語呂が悪いので

カタカナでセーフティネットと表現するのが普通です。^_^:

辞書的な意味は

「あるリスクに対して、国民の損失の拡大を抑制するために

主に公的機関がする措置」


です。。。わかりにくいなぁ。。。T_T

まあたとえばですね

あるリスク・・・不況でいつリストラされるかわからない

国民の損失の拡大・・・失業による未収入、社会的不安、治安の悪化など

公的機関・・・政府

という風に置き換えるとですね、

不況でいつリストラされるかわからない不安におびえている人に

もし失業したとしてもそれなりに(その個人と社会が)安心できるように

政府がするような措置


というようなものがセーフティネットの例といえます。

失業した場合に一定期間補助金を出す制度(失業保険)

などが典型でしょうかね。^_^


で、このセーフティネットですが

何も公的機関だけが提供しているわけではありません。

たとえばですね、ちょっと前まで日本で主流だった

「終身雇用制度」というものがありますね。

これは別に政府が強制してやっていたものではなく

企業のほうが自然にこの習慣を維持してきたものです。

これは

「雇用者は失業の心配がほとんどない状態で生活できる」


ということですので、

ある意味企業が提供するセーフティネットといえます。^_^


セーフティネットとは一般的な意味では

「綱渡りの時に落ちても大丈夫なように下に張ってある網」です。

どんな優秀なサーカス団員でも、

いきなり大地震があったり、渡る綱が切れたら落下します。

自分の能力や責任とはちょっと違う部分で何かありそうな時

安心できるようにしておく、というのが

セーフティネットの本質といえそうです。^_^

↑いいですか、ここが大事ですよ〜♪^○^

セーフティネットを勘違いする人はここをよくわかっていません。

セーフティネットというのはあくまで

「リスクを軽減してあげる」ものであって

「本人の自己責任まで含めたリスクを0にする」ものではありません

たとえばですね、

「失業した場合、次の仕事が見つかるまで永久に

今までの賃金分を全額政府が補償
してあげる」


というのはセーフティネットとは呼べませんね。^_^:

この制度だったら多分皆が自発的に自分の意思で失業しますよ。

そういう失業は「個人の能力と意思と自由」に基づいた

自分の責任
なわけですから、これを補償するのは

セーフティネットの趣旨とはかけ離れてしまいますね。

だから、失業保険というのは基本的にどんな国でも

ある程度の額期間有限になっています。


多分セーフティネットが全く無い社会というのはダメです。^―^

そういう社会だと、一回の失敗も許されないわけですから

社会的にものすごくギスギスした雰囲気になるでしょうね。

しかもそういう社会だとリスクを押し付けられるのは基本的に弱者になりがちです。

一方、

保護があまりにも手厚すぎるのもよろしくありません。^〜^:

保護が手厚いということは、それだけ

リスクに対する個人の責任感が薄れるということです。

そういう社会では

「もし失敗しても他人が補償してくれるからいいや」くらいの気持ちになりがちで、

自分の責任においての行動というのをしなくなります。

しかも、努力や能力向上を目指したりしなくとも

それなりに生活できるような社会ともいえますので、

どんどん個人の能力とか自助努力が廃れていくでしょうね。

結局は

「自己責任」「セーフティネット」

どのようなバランスにするのが良いか?ということですが、

この考え方には個人差がかなりあるので、なかなか意見がまとまらないものです。^_^:


次回はレモンの原理というものを見ていきます☆^○^


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