講義37. モデル分析E

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はい、今回でモデル分析も最後です♪^ー^


[モデルL]

土地を持っている少数の人間土地を持っていない多数の人間

土地を持っている人間は米を60kg
土地を持っていない人間は1人50kgの米を持っている。

人間は一年間に50kgの米を食べていけば生きてゆける

土地に米をまくと、一年後にはその十数倍の米ができる

他人の土地は無断で使用してはいけません!

さらに、何か契約がある場合はそれを遵守しないといけません!

↑このモデル、実は

前回のモデルJの登場人口だけを変えただけで、

本質的には何も変わっていません。^_^:

ある意味これが資本主義の構造といえるかもしれません。

講義20あたりでも少しお話しましたが、

資本主義の特徴としては

労働力生産手段の分離」ということが挙げられます。

労働力=生産における人間の働き

生産手段=生産における人間以外(土地とか機械)の働き

ということですので、今回のモデルの場合

・土地を持たない多数・・・労働力だけ持っている

・土地を持っている少数・・・生産手段(土地)労働力両方を持っている

といえます。

生産には労働力生産手段も必要、でも多数の人間は「土地や機械」なんてのは持ってない

だから、他人の生産手段を借りて何かを生産する、

現実社会で言えば「自営業」以外はほとんどそれに近いでしょうね。^_^
(例:鉄鋼作業員=機械や土地は自分では持っていないので、それがある工場で働かせてもらう)


[モデルM]

土地を持っている少数の人間土地を持っていない多数の人間

土地を持っている人間は米を60kg
土地を持っていない人間は1人50kgの米を持っている。

人間は一年間に50kgの米を食べていけば生きてゆける

土地に米をまくと、一年後にはその十数倍の米ができる

団結や暴動が可能、しかも

他人の土地は暴力や圧力で奪い取ることが可能で、

なおかつ契約も暴力や圧力で変更可能。

↑このモデルはここまでのモデルと後半がかなり違い

暴力や圧力で他人の財産(土地)を奪っても良い

しかも契約をあとから変更できる、という

なかなか荒っぽい条件になっています。^_^:

これだとですね、もし労働者が今の賃金や労働強度に不満を持っているなら、

多数派である労働者が一致団結して

「賃金をもっと上げろ」とか

「えらそうな態度をやめろ」とか

「もっと休ませろ」とか

契約自体を変更させたりも出来ます。^_^

なんせ労働者は多数ですから、少数の土地持ちはビビリまくりでしょうね。^○^:

で、これがエスカレートすると

「そもそも土地を少数の人間が所有するのがおかしい、

全部根こそぎ奪ってしまえ!!!」


という社会主義革命にまで発展するかもしれませんね。^△^:

「暴力や圧力」で何でもできるモデルですから、それは十分可能です。

というかですね、

社会主義を目指す所有権侵害暴力や圧力が正当化される

ということです。(本質的には)

もし土地とか財産を均等にしようと思えば、

今現在土地や財産を多く所有している人間から

無理やりにでもそれを奪い取って他の人に配分しないといけない

ということになります。(自発的に同意する人間はいないでしょうから)

でもですね、ここで面白いのは

「配分した後」になると、今度は他人の土地や財産を奪ってはならない

ということになります。(均等にしておかないといけないので)

はじめは『暴力・圧力・所有権侵害』を認めておいて

ある時期以降になると突然『暴力・圧力・所有権侵害』を認めなくなる・・・

誰がそれを行うか、とかその時期がいつなのか、といった点が

全く示されていない状態では

社会主義革命なんてのはいいかげんなものであるいえそうですね。^_^:


とりあえず6回の講義にわたって

モデルA〜Mという13個のモデルを作ってみました。

どのモデルにもそれなりに意味があります。

でもですね、モデルは「作ること」に意味があるのではなく

「そのモデルから何が知りたいか何を理解しようとしているのかが大切です。

暇があったら今までのモデル一つ一つを見返して

「何を知ろうとしているのか」を考えてみてくださいな。^〜^

それを踏まえて

『現実社会にはこういう問題がある、こういう問題が起こりそうだ、
だからこういう解決法がある』

などのことを考えられるようになったら一人前でしょう♪


次回はセーフティネットという言葉についてお勉強します☆^▽^


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