講義36. モデル分析D

     BACK
     CONTENTS

はい、今回も前回の続きです♪^ー^


[モデルJ]

ここには土地を持っているYさんと、土地を持っていない9人の人間がいる。

Yさんは米を現在60kgそれ以外の人間は1人50kgの米を持っている。

人間は一年間に50kgの米を食べていけば生きてゆける

土地に米をまくと、一年後にはその十数倍の米ができる

他人の土地は無断で使用してはいけません!

さらに、何か契約がある場合はそれを遵守しないといけません!

↑このモデルでは前回のモデルと違い

土地をもっていない人が9人もいます。^_^:

つまり、潜在的にYさん人に雇われそうな人が9人いるということですが、

この9人が全員生きていけるかどうかにはある条件がいります

もし米作りに関する労働に9人分くらいの労働力が必要なのであれば、

土地をもってない9人は全員雇われる可能性がありますが、

もし米作りに関する労働に1人で十分であれば、

Yさんは9人のうち1人雇うだけでいいです。^〜^:

それ以上雇うのは、それだけ賃金として米を渡さないといけないので損になりますからね。

で、この状況だとYさんの立場が非常に強くなります

もしYさんに雇われた人間がYさんの提示する賃金とか労働強度に文句を言えば、

その人をすかさず解雇して、残っている8人のうちの1人を雇うことが出来ます。
(のこり8人は「雇ってもらえるなら最低の条件でもよい」くらいの状態ですね)

クビにされたら次の年餓死決定ですから、

今雇われている人は全力で、ホントに死ぬ気で働きます。。。(解雇されないように)

もしも土地をもってない人が1人なら

「もう少し賃金を上げてくださいませ〜T_T」とか泣きついたとき

Yさんも『もしこいつに辞められると他に雇う人間がいないから自分で働かないといけなくなる
自分で働くのはイヤだし、ちょっとくらい賃金を上げてやるか〜

ということも可能性としてはあります。(あくまで可能性として)

しかし今回のように

失業者(雇われていない8人)がいるような状況では

いま雇っている人間が辞めても他のやつが

『その条件でもいいのでとにかく働かせろ!』と待ち構えている
ので、

今雇われている人間の恐怖感とかは今までのモデルよりもさらに強いです。TдT

こういう状態であれば、失業者というのは

今雇われている人の要求を抑えこむ

失業者自身はいざというときに手軽に使える労働者となる

という2つの役割を果たしているといえそうです。

まあ、ここまでの話は『もし米作りに関する労働に1人で十分であれば』という、

生産に対する労働の必要性が低い状況で考えてきましたから、

「米作りには最低9人の働き手が必要」とかであれば、もう少し

労働者に有利な条件の契約になるかもしれません。^_^:

しかしですね、歴史の流れを見ていくと

ほとんどの生産物は、相対的に「機械」を多くして「労働者」を少なくすることで

効率性を高めていっているものです。

これは『生産に対する労働の必要性が低くなっている』ということなので、

現代社会は潜在的に労働者に不利なのかもしれない

というのもそれなりに説得力を持っていると思います。^_^:

では次のモデルに〜。


[モデルK]

土地を持っている人間が9人土地をもっていない人間はXさん1人

土地を持っている人間はそれぞれ60kgの米を持っていて、
X君は米を50kg持っている。

人間は一年間に50kgの米を食べていけば生きてゆける

土地に米をまくと、一年後にはその十数倍の米ができる

他人の土地は無断で使用してはいけません!

さらに、何か契約がある場合はそれを遵守しないといけません!

↑このモデルはさっきのモデルの

「土地持ち」と「土地持たず」の人口を逆転させてみました。^_^

このモデルだと、今までモデルと比べれば、

土地をもっていないXさんの生活が改善されそうな感じ
です♪

どういうことかというとですね、

たとえばXさんが一旦土地を持っている人の誰かに

「米50kgで働く」という契約を結んだとします。

この場合、土地を持っている他の8人は自分の土地は自分で耕さないといけなくなりますね。

もし、土地を持っている人間が『働くのは疲れるからイヤだなぁ』という嗜好であれば

Xさんに対して

「米60kgくらい出すからウチで働いて?」という提案をする可能性があります。

で、さらに他の人がもっと『働くのは疲れるからイヤだなぁ』と強く思っていれば

Xさんに対してもっと良い条件である

「米100kgくらい出すからウチで働いて?」という提案をする可能性があります。

このように、土地を持っている人から見て

自分は働きたくない他に働いてくれる人が少ない

というような状態の場合、土地をもっていないXさんでも

生活できるぎりぎりの賃金よりもはるかに多い賃金を得られるかもしれません。^○^

※「かもしれません」ですよ? 必ずそうなるとはいいません。。。^_^:

まあ、『必要』なのに『少数』という立場の者は大体有利になりやすいものです。

今回のモデルだと
・土地持ち少数、労働者多数=土地持ちの力強くなる
・土地持ち多数、労働してくれそうな人少数=労働者の生活状況が改善されるかも
といったとこでしょうかね。^_^:



続きは次回☆^▽^


BACK  CONTENTS  NEXT


inserted by FC2 system