はい、今回は
「共有地の悲劇」ということで、
『全体』と『個人』のかかわりを見ていこうと思います♪^ー^
産業革命前のイギリスの伝統的な農村には
コモンズという
共有地があったそうです。^_^
そこでは農民が家畜を放牧したりして
自給自足の足しにしていたとかどうとか。
産業革命以前は特に問題はなかったのですが、
問題は産業革命以後です。 ̄_ ̄:
産業革命がおこり
羊毛に対する需要が増えた途端、
自給自足という範囲を超えて商品として羊毛を売るために
より多くの羊を放牧するようになりました。
それで何が問題になるかというと、
羊を多くすればするほど共有地内の牧草が足りなくなって
根っこまで食べてしまうそうなのですが、
そうなると
次期に育つはずの牧草までなくなってしまうことになりますよね。^_^:
となると、エサ不足で
羊の育ちが悪くなって、
一頭からとれる羊毛も少なくなり、
一頭あたりの利潤も減りますね。
で、ここからが今回のポイントなんですが、
多数の人間が使う共有地だからこその悲劇がそこにあるわけです。TдT
もし仮にその
土地が誰か1人のもので、
1人で羊100頭放牧しているのなら、
あまりに羊を多く放牧しすぎて牧草がなくなってきた時点で
「こりゃやばい、羊を減らそう」とか思うでしょう。
そうしないと
100頭の全ての発育が悪くなって、
100頭全ての羊から得られる羊毛が少なくなる(利潤も少なくなる)でしょうから。
「100頭全て」という部分を強調しておきます!
1頭あたり1万円の利潤が出るとしたら、100頭で100万円、
もし羊を増やして110頭にしたことで発育が悪くなり、
一頭あたり利潤が9000円になったら 利潤=9千×110=99万円、、、
利潤が下がってしまいますね。TдT
1人で110頭も育てていると、
1頭あたりの値段が下がっただけでもかなり利潤が下がります!(強調)
なので、一生懸命計算やら手入れやらして、
何とか土地が荒廃しないように頑張るでしょうね。
(責任は自分に)
一方、共有地のように
「小規模な農家が多数で利用」している場合はどうでしょう?
ここで前回の講義でお話した
『自分ひとりくらい〜〜』のインセンティブが働きます。^〜^:
たとえばですね、ここに
20人の農家が
それぞれ5頭ずつ、
合計100頭の羊が放牧されていたとしましょう。
ここで、たとえばAさんが「
自分ひとりが羊を増やしたところで、牧草も減るまい」と思い
羊を6頭に増やしたとします。当然Aさんの
利潤は上がります。
それを見たBさんが「
自分も1頭くらい増やしても大丈夫だろう」と思い、
羊を6頭に増やしたとします、当然
Bさんの利潤は上がります。
それを見たCさんが――――
と繰り返していくとですね、
全員が1頭ずつ増やして、合計120頭もの羊が溢れることになります。^_^:
で、牧草がなくなってきて全体の羊の発育が悪くなって、
一頭あたりの利潤が減ったとしましょう。
そうするとですね、またAさんが
「利潤を増やすために、
自分ひとりくらい羊を二倍にしても大丈夫だろう」とか
考え出すと思うんですよ。^_^:
で、負けじとBさんもCさんも〜〜〜〜と繰り返すと、
もう共有地は荒れ果ててどうにもならなくなります。。。これが共有地の悲劇。。。T△T
話をまとめるとですね、
↓
・
『全体』が協力して羊の数を抑えれば、
利潤も確保できる
・けど!
『個人』にとってみたら
自分だけ羊を増やせば利潤が増える!
・それなら俺も増やしたほうが良いな――と、
結果的に『全体』が増やすようになる
・
共有地が荒廃する。。。
という流れですね。^_^:
これって
受験勉強と同じ流れなんですよ?
(わかりますかね?)
↓
・
『全員』が受験勉強をしなければ、
楽しく学生時代をすごせるし大学進学も競争的にならない
・けど!ある
『個人』が
自分だけ受験勉強しておけば大学進学に非常に有利になる
・それなら俺もやったほうが――と、
結果的に『全員』が受験勉強をするようになる
・
学生時代を楽しく過ごせない+大学受験がさらに競争的になる
う〜む、まあ受験勉強がいいか悪いかはおいといても、
「自分だけが――」のつもりがいつのまにか『全体が』となるところは一緒ですね。^〜^:
精神的な部分で私が危険だなぁと思うのはですね、
そうなった結果を誰一人として「自分の責任と感じない」ところだと思うんです。
『全体』とか
『社会』ってのは
個人から構成されてるんだから、
その個人が「社会が○○だったから」「全体が○○だったから」という言い訳をしているのを見ると
『お前もその社会の一員だろうが!』と一喝したくなるんですよ。^_^:
なぜか
『
自分だけは社会から切り離されている
責任の無い存在』
かのように
言い訳する方々が多いので。。。T_T
次回からは極簡単な「モデル分析」というものをしてみます☆^○^
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