講義26. パレート効率

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はい、今回は「パレート効率」という経済学用語をお勉強しましょう♪^ー^

※今回はちょっと難しいので、わからなかったら読み飛ばしても良いですよ〜。


日常生活ではまったく耳にしない言葉ですね、パレート効率。^_^:

意味を確認する前にまずこの用語の由来ですが、

パレートというのは経済学者の名前です。
(1848年〜1923年 イタリア)

で、そのパレートが考えた効率性の概念なので『パレート効率』と呼ぶことにしました。^_^

さて今度は用語の意味ですが

まず辞書的に言うと

『パレート効率』

他の人の満足を下げることなく誰かの満足が上がること

というような感じですかね。

たとえばですね、

Aさん・・・りんご10個持っている

Bさん・・・ミカン10個持っている

という状態ですが、ホントは Aさんはミカンが好き・Bさんはりんごが好き だとしましょう。

ここでAさんのりんごBさんのミカンお互いに何個かずつ交換すれば

おそらく どちらの満足感も下げることなく両方の満足感が上がります♪

この場合、この交換はパレート効率的だといえます。^ー^


よっぽど極端な人でなければ、

このパレート効率的なことは受け入れられやすいです。

自分は得をする、しかも相手に損をさせてない

社会的に見てもだいたいの場合は受け入れられそうです。^_^


パレート効率性の意味で改善することパレート改善と言います。

たとえばさっきのりんごとミカンの交換の話は

パレート効率的な交換によって

社会的にパレート改善した、と表現できます。

さらにさらに、

もはやこれ以上パレート改善できないような状況

パレート最適といいます。

たとえばですね、

ミカン好きAさん・・・ミカン5個もっている

同じくミカン好きCさん・・・ミカン5個もっている

という状態を考えてみてください。

簡略化のためにミカンの数だけで満足度は決まるとしましょう。

もしAさんの満足度をさらに上げようと思ったら

Cさんからミカンを強奪するしかありません。T_T

でもCさんがもしミカンを強奪されるとCさんの満足度は必ず下がってしまいます!

ということは、この状態は

『他の人の満足を下げることなく誰かの満足が上がること』

というパレート効率・パレート改善はもはや不可能な状態といえます。

こういう状態をパレート最適というわけです。^○^

なぜ『最適』なのか???

それはですね、この状況が

限りある資源を最大限利用している状況だからです!

交換の話だけに限ってみても、まだパレート改善できるような状況というのは、

言ってみれば「交換の利益がまだ残されている状態」といえます。

これは

社会的にもっと改善できるはずなのに、まだ改善してない


ととらえてもいいでしょう。^〜^:

だから、パレート改善の余地がもはや無いような状態

パレート最適ということにしたわけです♪^○^


ここで困るのがですね、

パレート改善パレート最適点無数に存在することなのです。(これがちょっとわかりにくい)

・金持ち ・貧乏人 という2人がいて、

ここから

パターン@「金持ちの所得が100倍になって貧乏人の所得がそのまま」

パターンA「金持ちの所得も貧乏人の所得も20倍になる」

パターンB「金持ちの所得は変わらず貧乏人の所得が10000倍になる」

パターンC「金持ちの所得が1円増えて貧乏人の所得も1円増える」

↑上の4パターンはどれも社会的にパレート改善です。^_^:

一応、「相手の状態を悪くすること無く自分かお互いの状態が良くなる」

という状況にはなっていますので。

ただ、その中でどれがいいか?ということは全くわかりません

そのあたりは価値判断によるので。。。

つまりですね、パレート改善とかパレート最適というのは、

「そうなっていることが望ましい」という指標ですが、

「じゃあその中のどれがいいか?」については全く触れられていないわけですね。^_^:

このあたりで個人個人の「公平観」とか「公正観」の差が大きくあらわれます。

まあでも、

パレート最適というのは資源の最適な利用という観点からは

多分一番マトモで理論的な考え方です。なので

結果的にどういうことになるにしろ

とりあえずパレート最適な状態を満たしていることは望ましい
でしょう。^○^


次回は「貨幣の機能」というものを見ていきます☆^▽^


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