はい、今回は
「貧困の循環」ということで、
貧しい者は一生貧しいままなのか?というお話をします。^〜^:
たとえばですね、ここに
超貧乏人のBさんがいるとしましょう。
この人は当然貧乏ですから
機械や土地といった
生産手段をもっていません。
(「生産手段」の意味がわからない人は前回の講義を復習してください)
ということは、この人はとりあえず
誰か他の人に雇われて賃金を得て生活をしないといけません。
でも!!!
よく考えてみるとですね、
超貧乏で空腹なBさんがたいした働きを出来るわけもありませんね。
つまり
Bさんの労働力は低レベルだということです。
ということは
あまり
Bさんを雇いたがる人はいないだろうし、
もしいたとしても
あまり高い賃金を払う気はないでしょう。
で、賃金が安いということは
食べ物を買うお金がそれだけ少ないということですから、
安定的に空腹が満たされることはありません。
で、空腹が満たされないので
Bさんの労働力は低レベルなままです。
労働力が低レベルなので、
賃金も低いままです。
賃金が低いので、
空腹が満たされず―――
はい、きれいに循環しましたね、
空腹→低労働力→低賃金→空腹→―――
もしこの循環が続いているのに何の対応もしなければ、
貧乏人はずっと貧乏なままでいることになりますね。。。TдT
で、今度は個人の話でなく
発展途上国の話で考えてみます。
ここからの話は
ヌルクセ(R.Nurkse 1907〜1959)という学者が考えた話ですが、
さっきの個人の話と構造はほとんど一緒です。^_^:
発展途上国は貧しいので、
貯蓄と投資が少ないです。
貯蓄と投資の話はいままで詳しくしたことがありませんが、
簡単に説明すると以下のようになります。
人々がその日生活するだけのお金しか持っていなければ、
余ったお金が人々の手には無いことになりますね。
もしお金が余っていれば、それを銀行に預けたり
どこかの企業の社債を買ったりできます。
銀行は預かったお金により高い利子をつけて企業に貸し出すことで成り立っています。
ということはですね、
もし全く人々の手に余ったお金が無ければ
・銀行に預けるお金も無い=
企業にお金が向かわない
・企業から社債も買えない
ということになり、
企業は自企業の利潤以外に使えるお金が全く無い(投資資金が非常に少ない)ことになります。T_T
この状態ではなかなか機械や設備は拡大しませんね。^〜^:
ということで、
もし貯蓄と投資が少なければ
生産力の高めることが出来ない
といえそうです。
生産力が低ければ売上や利潤も増えず
賃金も全く増えない状態になります。
賃金が増えないということは、
人々は貯蓄が出来ないことになり、投資も小さいままです。
貯蓄や投資が小さければ―――
このようにですね、
貯蓄と投資が小さい
↓
生産力が上がらない
↓
賃金が増えない
↓
貯蓄と投資が小さい
↓
・
・
・
という循環が続いているのに何の対応もしなければ
発展途上国の生産力も賃金もずっと低水準なままになってしまいますね。。。TдT
さて、ではこういう
悪循環を断ち切るにはどうしたらよいのでしょうか?
理論的には
貯蓄と投資が小さい → 生産力・賃金が増えない → ―――
という循環になっているんだから、
どちらか片方を無理やりにでも引き上げてやればよさそうです。^〜^
たとえば投資資金が無いなら外国から資金を借りるとかですね。
そうすれば 投資増→生産力増→賃金増→貯蓄増→投資増→――― という風に
増加の循環になる可能性があります♪^○^
しかし、
現実的にはその方法はなかなか取りづらいでしょう。
@そもそも途上国にお金を貸して、ちゃんと戻ってくるかどうかわからないから先進国側が不安
A途上国は技術も人材も不足気味なのに、機械や設備だけ近代化しても使いこなせない?
などなど、ちょっと考えただけでも阻害要因が結構あります。^_^:
まあ、一言で言うとですね
貧困から抜け出すのはそう簡単ではないということです。
(援助や寄付でも貧困は根本的には解決しません。そこを勘違いしないように。←理由は各自考えてみましょう)
○○すれば貧困はなくなる、なんて簡単な方法があったら
世の中こんなに酷くなりませんからね。^_^:
次回は税金に関わる話をします☆^○^
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